ピレリタイヤとは?種類やメリット・デメリットを解説

スポーツタイヤ

世界的なタイヤメーカー「ピレリタイヤ(PIRELLI TIRE)」。

今回はこのピレリタイヤを取り付けようと思ってる方のために、その種類をわかりやすく解説。

メリットやデメリットが気になる方を含め、ピレリタイヤを履くことに不安がある方は是非、この記事を参考にしてほしい。

ピレリタイヤ|基礎の知識

まずはピレリタイヤの基礎知識から知っておこう。

100年以上の歴史をもつ欧州のタイヤメーカー

ピレリタイヤは、イタリア北部の大都市ミラノにあるタイヤメーカーだ。

創業は1872年、設立当初は自動車のタイヤではなく、通信ケーブルや電線を生産していた。タイヤ事業に参入したのは1901年からと古く、欧州では高い知名度と人気を誇る。

市場シェア率は世界全体でも堂々の第5位。ヨーロッパではミシュランやコンチネンタルとともに信頼性と実績のある海外大手タイヤメーカーのひとつとして知られている。

複数の国で製造している

日本国内で販売されているピレリタイヤは複数の国で製造されている。イタリアのタイヤメーカーだが、世界中にタイヤを供給しているため、すべてのピレリタイヤがイタリア国内で生産されているわけではない。

主な製造国としてイタリア、スペイン、ドイツ、ブラジル、トルコ、中国などが挙げられる。日本国内では製造されていないので、国産にこだわる方は注意しておきたい。

モータースポーツの実績

1900年代からF1やWRCなどのモータースポーツ界に参戦を開始したピレリタイヤ。

離脱していた時期があったものの、古くから現在に至るまで業界の大手メーカーのひとつとして長年トップレベルに君臨し続けている実績あるメーカーの1つだ。

一般道とは比較にならないほどの過酷なレース環境で培ったスキルやノウハウは市販タイヤにもしっかりフィードバックされ、品質や技術面の向上に活かされている。

海外で抜群の評価がある

ピレリタイヤの評価は日本よりも海外の方が高い。特にヨーロッパではベンツやBMWなどの高級車やランボルギーニ、フェラーリといった憧れのスーパーカーの純正装着タイヤに採用されるほどの高評価を受けている。

これら多くの自動車メーカーにタイヤ供給される背景には、ピレリタイヤが高性能であり信頼できるタイヤメーカーだという事が認められている証だと言える。

ヨーロッパでは、アウトバーンや速度無制限区間など日本よりもハイスピードな道路環境だとされている。

ピレリタイヤは長年モータースポーツ活動で培ってきた技術を活かすことで低速から高速まで優れた安定性を現実化している。それは、たとえ時速300kmを超えるハイスピードでも安定感のある走行を可能にするほど信頼性は高い。

ピレリタイヤ|種類

ピレリタイヤは、この3種類に分けられる。

  • 夏タイヤ
  • オールシーズンタイヤ
  • スタッドレスタイヤ

それぞれの種類とラインナップについて詳しく解説しよう。

夏タイヤ

ピレリタイヤの夏タイヤは走行性能の高いものが多い。レースシーンで長年活躍してきたタイヤメーカーらしいスポーツテイストの特徴が反映されている。

〈代表的な夏タイヤ〉

  • P ZERO
  • DRAGON SPORT
  • SCORPION VERDE

P ZERO(ピー ゼロ)

高級セダン向けに開発されたピレリを代表するプレミアムタイヤ「ピーゼロ」。

高品質なラグジュアリーカーに求められる乗り心地や静粛性などの快適性能はもちろんのことウェット性能や燃費性などその他の性能にも隙はない。

DRAGON SPORT(ドラゴンスポーツ)

アジア市場向けに開発された 「ドラゴンスポーツ」。

名の通り、スポーツ志向が強くコストパフォーマンスの高さが魅力。モータースポーツを得意とするピレリタイヤらしい優れた走行性能を有しているタイヤだ。

快適性についてはいまひとつだが、タイヤサイズが豊富でさまざまな車種に使用できる。手頃な価格と走行性能の高さで選ぶならおすすめ。

SCORPION VERDE(スコーピオン ヴェルデ)

快適さとウェット性能に優れたSUV向けの夏タイヤ「スコーピオン ヴェルデ」。

悪路走破性よりも乗り心地や静寂性を高めている。街乗り向けの性能をもつ今っぽいタイヤだ。タイヤサイズ次第だが、ノイズキャンセルシステムやランフラット・シール式ランフラットなどを先進技術を採用している。

タイヤサイズは16インチ〜22インチと幅広く、新車装着タイヤとしてBMWやポルシェ、メルセデス・ベンツなどそうそうたる欧州自動車メーカーが装着しているほどの人気タイヤだ。

SCORPION VERDE ALL SEASON SF(スコーピオン ヴェルデ オールシーズンSF)

スコーピオン ヴェルデ オールシーズンSFは、ピレリのSUV向けオールシーズンタイヤ。

季節変化よる様々な路面状況に対応できる利便性の良さが最大の魅力だ。ドライを最も得意としているが雪道や悪路などの路面も走行を可能にしている。

幅広い路面に対応する反面、それぞれの性能はそこまで高性能ではないとされているが、使い方次第では利便性が高い。

スタッドレスタイヤ

WINTER SOTTOZERO SERIE II(ウインター ソットゼロ セリエデュ)

ウインター ソットゼロ セリエデュは、スタッドレスタイヤでありながらドライとウェット性能を兼ね備えているタイヤだ。

純正のスタッドレスタイヤに採用する自動車メーカーも多く、ポルシェやBMWなどにも用いられている。

ICE ASIMMETRICO(アイス アシンメトリコ)

北海道で開発された日本向けのスタッドレスタイヤ「アイス・アシンメトリコ」。

北海道の冬の道路状況に合わせた性能をもつため、厳しい凍結路面にも対応する優れた氷上性能が魅力だ。

14インチから18インチとサイズ展開も豊富で軽自動車からミニバン、セダンなど多くの車種に適合する。

ICE ASIMMETRICO PLUS(アイス アシンメトリコ プラス)

アシンメトリコの進化版がこのアシンメトリコプラス。

見た目や基本部分、サイズ展開は変わらないが、材質を見直すことでトレッド部に改良を施している。

アシンメトリメコよりもスタッドレスタイヤとしての性能を高めているため、雪上・氷上にさらに強くなっている。冬タイヤとしての安心感を求める方におすすめだ。

ピレリタイヤ|メリット

ピレリタイヤには、主に5つのメリットがある。

〈ピレリタイヤの主なメリット〉

  • 高い走行性能
  • 優れた高速性能
  • 信頼性がある
  • 購入できるところの多さ
  • コストパフォーマンスが良い

高い走行性能

まず、ピレリタイヤのメリットを真っ先に挙げるならその「走行性能の高さ」。

モータースポーツ活動が盛んなタイヤメーカーであることから性能もスポーツ色の強いタイヤが多い。ドライ&ウェット性能に加えてブレーキ性能・ハンドリング性能についてもそのクォリティは高く、さすがはモータースポーツ界で名を馳せたタイヤメーカーらしいメリットだ。

どっしりとした重厚感のある走りは運転者に優れた安定性を感じさせるだろう。

優れた高速性能

ピレリタイヤの優れた高速性能もメリットのひとつとなっている。

欧州ではアウトバーンと呼ばる速度無制限の高速道路や市街地以外では制限速度が80km/hであるなど日本国内よりも使用速度は速くなる。

速度が高まればそれだけ高速性能の高さが求められるが、モータースポーツ活動が盛んなピレリタイヤにとってはむしろ得意分野だ。

日本国内においても高速道路を走行する機会が多い方はもちろんのこと、サーキットやワインディングなどを好む方にも合う。

信頼性がある

ピレリタイヤは多くの自動車メーカーの純正タイヤに採用されているため、信頼性は極めて高いと言える。

なぜなら、海外メーカーのみならず日本国内の自動車メーカーでも純正タイヤに採用されていた実績があるからだ。その点を踏まえれば同タイヤメーカーの信頼性は確かだということが分かる。

購入できる場所の多さ

ピレリタイヤは海外のタイヤメーカーだが、日本国内では意外にも取り扱いが多い。カー用品店やネット通販など取り扱っている店が多いため好みの方法で購入することができる。

もし取り扱いがない場合、店舗に取り寄せ依頼を行うことで購入が可能となる。最寄のカー用品店などやディーラーで購入したい場合は事前に相談しておこう。

コストパフォーマンスが良い

ピレリタイヤは、全体的に手頃でコストパフォーマンスに優れているものが多いのは嬉しいメリット。

もちろんスーパーカーや高級車向けのタイヤは高額だが、アジアで生産している一部は低価格を実現している。

アジア市場向けのドラゴンスポーツやアイスアシンメトリコなどは、ピレリタイヤの良さであるスポーツ志向を持ちつつ、優れたコストパフォーマンスを実感できるタイヤの代表だ。

ピレリタイヤ|デメリット

ピレリタイヤには、メリットだけではなくデメリットも存在する。

このデメリットを事前に理解しておけば取り付けた後に「想像と違った…」と後悔することになるため、しっかりチェックしておこう。

主なデメリットは以下の3つ

  • 廉価モデルの快適性はそれなり
  • トップモデルは高い
  • 種類によって品質はばらつく

廉価モデルの快適性はそれなり

1つ目のデメリットは、「廉価モデルの快適性はそれなり」であること。

快適さについては人それぞれ賛否両論あるとは思うが、ピレリは、ハイクラスモデルと廉価モデルの性能の違いが大きいタイヤメーカーだと言われている。特に静粛性や乗り心地については顕著な差を感じる方も少なくない。

ピレリノイズと呼ばれる特有のロードノイズや乗り心地の硬さは、走行性能の高さによるものともいえるが廉価モデルを検討しているなら注意しておきたいデメリットとなる。

静かさを求める方には向かないが、スポーツテイストを探求するピレリらしいところでもあるのではないか。

トップモデルは高い

ピレリタイヤはフラッグシップから廉価版などのモデルがあるが、トップモデルになればなるほど価格は高い。

だが、ピレリタイヤは全体的に高いスポーツ性能を有したものが多く、そして減りにくいとされている。

減りにくくなるとタイヤ寿命が長くなるためトータルコストは悪くはないものの、タイヤ交換時の初期費用がかさむことになるのは注意しておきたい。

  • 長持ちさせたい
  • 年間走行距離が多い

このような方にはおすすめのタイヤだ。

種類によって品質にばらつく

前述したようにピレリタイヤにはハイクラスモデルや廉価モデルなどの種類があるが、その種類によって品質にばらつきがあるとされている。

快適性と同様にフラッグシップと廉価モデルの品質の差がかなり大きく、その他にも重量バランスに違いがあることも稀にあるようだ。

まとめ|ピレリタイヤでさらに運転を楽しむ!

ピレリタイヤ(PIRELLI TIRE)は、特徴を踏まえて考えると良くも悪くもイタリアらしい男前なタイヤだ。

静かさを求めるなら不向きだが、その走行性能の高さはスポーツカーやクーペ乗りなら1度は試してほしいほど。

プレミアムクラスなら快適性にも優れているため、セダンなどの高級車にもおすすめできる。

ピレリタイヤを身につけて、ドライブへ出てはいかがだろうか?走る楽しさをさらに底上げしてくれるはずだ。